アールヌーボーっぽい型紙
同居人氏が今取り組んでいる型彫りの絵柄が、
なんだかすごく格好いい。所謂アール・ヌーヴォーって奴なのかな?アルフォンス・ミュシャのポスターを思い出す柄。
同居人氏の課題には、先生の手元にある既存の型が使われているので、以前これと同じ型を彫るように依頼があったはず。
一般的な反物を染める型は連続した絵柄のものがほとんですが、この型紙の絵柄は一枚で完結しているので、恐らく反物の絵柄には向かない。
ではもともと何のために彫られた型なのでしょうか?帯にするにしても絵柄が大きすぎるしなあ。結構謎です。
ちなみに、19世紀末から20世紀にかけて花開いたアール・ヌーヴォーのデザインには、日本から海を渡った伊勢型紙のスタイルが大きな影響を与えたと言われています。
(文責:河合)
うろこ模様
先日、誕生日が来て33歳になりました。
大人の自覚などビタイチないままに三十路も半ば近くに来てしまった訳ですが、
33歳と言えば、「散々」と掛けて(?)厄年とされる年齢。
厄年なんてただの迷信と言い切ってしまいたいけど、ここ数年は運が良いとは言いかねる年が続いておりまして、
「やっぱり厄年のせいかな」とちょっと弱気になってみたり。
こちらの厄年早見表サイトをみると、今年は後厄。
2013年のお正月には厄年も終わるわけですね。あと一息!
前厄に突入した2年前に、実家の母から伊達締めをもらいました。
(ちなみに伊達締めとは、着物の下、襦袢に帯の下、着物に直接締める帯のことです)
母が30代の時に祖母から贈られた品なんですが、
「厄年にはうろこ文様の品物を身につけると厄除けになる」とのこと。
母がこの伊達締めを譲り受けた時、祖母も同じようなことを言っていたそうです。
うろこ文様とは、
このように三角形を組み合わせた幾何学模様のことです。
Wikipediaの「厄払い」の項目(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8E%84%E7%A5%93%E3%81%84)にも、
厄年の贈り物には、肌身離さず持てるもの、長いもの、うろこ模様のもの、七色のものがよいとされている。
と書かれているので、「厄除け=うろこ模様」と言うのは、それなりにメジャーな言い伝えなのかも。
母の心遣いに感謝しつつ、
もうちょっと着物を着るようにして、厄除けの伊達締めを身に着ける機会を増やさなければな、と思いました。
文責:河合
「紅型 琉球王朝のいろとかたち」展
六本木のサントリー美術館で開催されている
「紅型 琉球王朝のいろとかたち」展を見てきました。
http://www.suntory.co.jp/sma/exhibit/2012_03/index.html
せっかくの機会なので五年ほど前に沖縄で買ったかりゆしシャツを着用。
もちろん本物の紅型ではありません。
紅型(びんがた)は、沖縄で独自の発展を遂げた染色の技法。
黄色や赤の顔料を効果的に使った鮮やかな色彩と、主に自然をモチーフにしたおおらかな紋様が特徴です。
会場には、国宝に指定されたものをはじめ、200点以上の貴重な紅型がところ狭しと並べられていました。
私たちにとって嬉しかったのは、紅型を染めるための型紙が沢山展示されていたこと。
ほとんどの型紙は、その型で染められた着物の隣に展示されていたのも、勉強になって良かったです。
紅型の型紙は、随所で日本本土の型紙技法の影響を感じさせながら、沖縄独自の発展を遂げていました。
面白かったのが、江戸型彫り(伊勢型紙)の道具と紅型の道具が、よく似てるんだけど、ちょっと違うこと。
型を彫るための小刀は、沖縄ののこぎりから職人さんが自作している、先の部分がそっくり返った独特の形。
生地に顔料を刷り込むための刷毛も、八重山に自生している竹と女性の髪の毛から作られ
ているそうで、本土とはだいぶ形が違いました。
極めつけは、型を彫るとき柿渋紙(同居人氏いわく、この紙も紅型専用に作られたもので、本土の渋紙よりだいぶ分厚いとのこと)の下にひく道具。ルクジューと呼ばれるこの道具は、なんと木綿豆腐を乾燥させて作ります。
紅型といえば、黄色地に赤や青色を差した鮮やかな色彩が代名詞のように思っていましたが、実際見てみると、結構渋い文様や色彩の着物もありました。
自分で着てみたいと思った作品は、所謂紅型らしい色彩と文様のものより、青や紅色を基調にした渋めの物の方でしたね。
特に気に入ったのは、藍染めの着物。沖縄にも藍染めがあるというのは、嬉しい発見でした(高齢者や下級武士の衣装に使われていたそうです)。
藍というのは染料を発酵させて色を出すのですが、沖縄は暑いので本土とは藍の管理の仕方が違うのかな、と想像してみたり、
資料映像で「藍に元気をつける」ために藍がめに水あめを放り込む(多分、藍を発酵させている微生物が水あめを食べる?)のを見てびっくりしたりしました。
ものづくりの技術というものは、どこに行っても同じように見えて土地土地で独自の発展を遂げているし、土地土地でバラバラなように見えてどこか共通するものがある。多様性も共通の基礎となる部分も大切にして、継承していかねばならんのだな、とはいてもいない褌を引き締める夏の一日なのでした。
(文責:河合)
むかで屋商品紹介
むかで屋製作の雑貨を紹介します。
まずは,主力の型彫り栞。
大きな型紙を所有するのは大変だけど,
型紙の技術やデザインをもっとあじわいたい。
そんな人の事を思って、作ってみた商品です。
もちろん、手彫り。
これは、人物のシルエットシリーズ。
細めた目が可愛い招き猫。
お散歩猫。肉球型の錐彫りがポイント
栞として使うのはもちろん、紐とビニールカバーを外すと、ステンシルなどの型として使えます。
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次にオリジナルレターセット。
クラフト紙で統一した封筒と便箋がおしゃれです。
一見,洋風な柄ですが,使われている技術は昔ながらのかっぱ刷りという技法です。
シルエットの猫がなんだかむちむちしているところがかわいい。
こちらも肉球型の罫線がポイント。
便箋はこちらの4種類。
封筒は3種類。
封筒の柄は一枚一枚職人(=新井)の手刷り。
けっこう手間がかかってます!
ちなみに、便箋12枚、封筒3枚で、セットになってます。
最後に,絵葉書。レターセットと同じ猫の型紙に,小紋の型紙などの模様を組み合わせています。
(ごめんなさい、画像無し)
江古田のOILIFE(オイルライフ)
http://www.oilife.info/
同じく江古田の武蔵大学向かい
ギャラリー古藤(栞のみ、7月1日まで)
http://furuto.art.coocan.jp/
池袋の旅猫雑貨店
http://www.tabineko.jp/(ねこ&招き猫の栞とレターセット)
以上の3店舗で取り扱っていただいてます。
お店の紹介などはいずれまた(いつだ?)書く予定。
(文責:河合)